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「ごめん、忘れてた!」を防ぐ。お金の記録を「コミュニケーション」に変えるPoffのUI設計

公開日: 2026年4月4日 | カテゴリ: 開発の裏側・お金の管理

お金のトラブルの9割は「悪意なき忘却」から生まれる

大学生活を通じて、サークルの友人との飲み会、恋人とのデート、あるいは塾講師のアルバイト先での同僚との食事など、様々な場面でお金のやり取りを経験してきました。そこで気づいたのは、友人や恋人間で起こるお金のトラブルのほとんどは、相手を騙そうとする悪意からではなく、「単なる悪意なき忘却」から生まれるということです。

立て替えた側は「昨日の飲み代3,000円、まだもらってないな」とずっと覚えているものですが、立て替えられた側は、日々の忙しさに紛れてすっかり忘れてしまうことがよくあります。

この「記憶の非対称性」こそが、関係性を悪化させる最大の原因です。忘れている相手に対して「お金を返して」とわざわざ連絡するのは、非常にエネルギーがいりますし、気まずい空気が流れます。この問題を根本から解決するには、「どちらかが催促する」という行為そのものをなくす仕組みが必要だと考えました。

なぜ「チャット形式」のUIを選んだのか

既存の割り勘アプリや家計簿アプリの多くは、Excelの表計算のように数字が一覧で並ぶデザインを採用しています。確かに一目で全体を把握するには効率的ですが、人間関係の温かみはそこにはありません。

そこでPoffでは、LINEのような「チャット形式のUI(ユーザーインターフェース)」をメイン画面に採用しました。「〇〇円の支払い」という履歴が、自分と相手のトークルームに吹き出しとして順番に表示されていく仕組みです。

この形式にした最大の理由は、「お金の記録を、日常的なコミュニケーションの一部に溶け込ませるため」です。相手に「請求書」を突きつけるのではなく、「昨日これ買ったよー!」という会話の延長線上で記録を残せるようにすることで、入力に対する心理的なハードルを極限まで下げました。

「共有残高」と「キャラクター」が生み出す平和

さらにPoffでは、お互いが今どれくらい立て替えているのかを示す「共有残高」を、常に画面の上部に表示しています。そして、そこにPoffy(ぽふぃ)やGosty(ゴスティ)といったキャラクターを配置しました。

これにより、「あなたが直接相手に催促する」必要は完全にゼロになります。相手がアプリを開いた瞬間に、キャラクターが「今は〇〇円の立て替えがあるよ」と中立的な立場で教えてくれるからです。

これは、塾講師時代に学んだテクニックでもあります。生徒のミスを先生が直接怒るよりも、プリントに書かれたキャラクターが「ここは間違えやすいから注意だね!」と指摘するほうが、生徒は素直に受け入れてくれます。人間は、第三者的な存在(キャラクターやシステム)からの通知に対しては、反発心を抱きにくいという心理的特徴を持っているのです。

学生生活の最後に、Poffに込めた想い

大学3年生から4年生にかけての貴重な時間を使い、自分自身の悩みと向き合いながら、このPoffを開発してきました。1円のズレを許さない裏側のシステム、海外旅行でも使える外貨の自動計算機能、そして比率を自由に変えられるスライダー。これらすべての機能は、「お金のことで、もう誰にもモヤモヤしてほしくない」という一つの目標のために組み上げられました。

春からの新生活や新しい環境で、皆さんの人間関係が「ぽふっ」と優しく、そして温かいものであり続けるために、このアプリが少しでもお役に立てれば、開発者としてこれ以上の喜びはありません。